月別アーカイブ: 10月 2011

2011 offshore2

2011 offshore

呑海俳句・平成23年9月

ゆく夏のマンハッタンを呑む男

青蜥蜴もて元帥の髭となせ

紫陽花の疲れの見ゆる墓域かな

押し寄せて重なる波も沖縄忌

桑の実に少女の頃の雨が降る

衣紋竹母の匂ひがふかれをり

岬いま大謀網や大夕立

もう風に揺らぐことなき朴落葉

走り出て波をよろこぶ石叩き

秋彼岸六国見山風抜ける

海鷲や艇庫に朽ちて櫂ひとつ

海鷲に空あけてある無人島

秋思なほ塔を離れずとの曇

倒れたる案山子を巡る星の数

落日を秘めたのだらう烏瓜