カテゴリー別アーカイブ: 呑海俳句・平成23年5月以降

呑海俳句。平成23年5月以降(2)

押し寄せて重なる波も沖縄忌

桑の実に少女の頃の雨が降る

衣紋竹母の匂ひがふかれをり

ゆく夏のマンハッタンを呑む男

青蜥蜴もて元帥の髭となせ

紫陽花の疲れの見ゆる墓域かな

炎天の鐘のひとつが鳴りにけり

遥かよりかなかなが鳴く暁よ

かなかなに黎明未だ定まらず

浅草の青たつぷりとかき氷

空蝉の眼に父祖がゐる原爆忌

あの夏の風を探してゐる少年

天涯に風吹いてをり花ユッカ

失ひしものを探しに秋の蝶

消え失せし鹿鳴館や秋の蝶

艇ひとつ終のもの曳く秋の暮

秋蝶の水平線へ消えゆけり

颱風裡臣楠公は馬の上

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呑海俳句・平成23年5月以降

平成23年5月以降の俳句です。

川に顔突つ込んでゐる春隣

八幡の革手袋の祈りかな

寒中の椅子に荷風の時間あり

春めくや鏡の中は祖父に似て

鏡中のわれに振り向く藪椿

廃船や流木くべる春焚火

春の星瓦礫地獄に咲くといふ

参道の貝の匂ひも鰆東風

礁より生まるる波や鰆東風

燕来る実朝の海あをあをと

潮騒や芽吹きの空に鳶の笛

一湾の島鶯や碧き潮

春潮と居れば淋しき船溜り

としあつ忌土耳古の旗の星と月

みちのくの山河鎮もれ春の月

救援の航空母艦風光る

瞑れば海嘯たまる春障子

花曇大和を護る漢たち

春の星瓦礫地獄に咲くといふ

青蜥蜴もて元帥の髭となせ

紫陽花の疲れの見ゆる墓域かな

浮いて来い飛龍蒼龍赤城加賀

浮いて来い飛龍戦士の羽飾り

浮いて来い山口多聞美しき艦夫

雲の峰煙も立たず浪も無く

香水の香りの変はる路地の奥

牡丹のつぼみ咲く順あやまたず

船霊のハイビスカスとなりにけり

午前より午後の淋しき卯浪かな

はつなつや鳩サブレー鳩左向き

浅草の青たつぷりとかき氷

炎天の鐘のひとつが鳴りにけり

空蝉の眼に父祖がゐる原爆忌

蛇口よりあふれる水や原爆忌

あの夏の風を探してゐる少年

ほうたるの平家の舞の水辺かな

十薬の花の白さに雨来る

薫風や楷書の父は額の中

穹窿に向かひ揺れ合ふ仏桑花

さざなみのあと船の波花ユッカ

しづけさの昼寝の時や海の風