カテゴリー別アーカイブ: 呑海俳句・初期句集

呑海俳句・初期句集

  ひたひたと春の海鳴る船溜り

  日と海の懐に入る落花かな

  陸遠きデッキの上の落花かな

  あさぼらけ芽吹きの径を歩みをり

  彗星の尾をつらぬくやほととぎす

  巡りゆく銀河蒼茫尾を曳きて

  吹きそめる北東風や憂国忌

  天怒り地軸を揺する雷雨かな

  星たちと巡りし艇を夜光虫

   ほうたるの天より落ちて会ひに来る

  遙かなる白帆傾いで紅蜀葵

  ふりかえる麻服の父なつかしき

  潮騒を遠きに置きて夏の月

  薫風の鳥山として聳えたつ

  飛魚の舷掠め弧をえがく

  蝉時雨油壺てふわが母港

  風鈴の風を待ちたる日暮かな

  ふたたびの戦の海を夜光虫

  流星の尾をつらぬくや敗戦忌

  青嵐忘れてなるかいくさ人

     父祖たちの声なき声を蝉時雨

  手をひたす夏の終りの引き潮に

  

  

    

  

  

広告