カテゴリー別アーカイブ: なつ子より

「縞」という猫

我が家の猫は、元のらちゃん。呑海さんが拾ってお食事を出すようになった。

やがて家猫となり、いまでは呑海さんがお風呂へ行けば、お風呂場の前で「にゃぁ」となき、トイレに行けばトイレの前で「にゃぁ」となく。

出てくるまで、おとなしく待っている。

もともと、家の近くで生まれて、小さい猫がふらふらしていたのは知っていた。

私は、犬派。猫は大嫌いであった。小学生のころ、飼っていた十姉妹を猫に食べられてしまい、それ以来、猫は敵であった。

しかし、呑海さんが拾ってきてしまったのだから仕方ない。だんだん、猫がいる時間が長くなった。

私たちは、松戸(なつ子のアパート)と逗子(呑海さんの家)を二週間ずつ行ったり来たりしている。

「縞」と名付けられた猫も移動する羽目に陥った。

さて。松戸では外を自由に走り回っていたが、逗子では外に出ることができない。

ここで問題が起こった。

「縞」は、生まれてこの方、ただの一度も室内で、おしっこをしたことがないのだ。

どうする!!

教えてやらねばならぬ。こういうとき、動物が偉いのは、口で説明しなくても信頼している飼い主の行動をまねるという習性があることだ。

ホームセンターで買ってきた猫トイレを指さして、「ここでするんだよ」と言ってもわかるはずもない。

私は実践した。私がそこでトイレをするまねをしたのだ。

すると、一度も粗相することもなく、「縞」はトイレができるようになった。

なんと賢いのだろう。以来、私と「縞との親和性が生まれた。

とはいえ、「縞」は私がトイレやお風呂に行っても待ってはいないけれど。

誰が自分を拾ってくれたのか、誰が自分に食事をくれたのか、彼女は決して忘れることはない。

 終戦日気高き心(しん)の猫を抱く   なつ子

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呑海俳句・鑑賞(1)

● 轟沈シ巨体四裂ス花曇  呑海

これは1945年4月7日、戦艦大和が沈んだ様子を詠んだものだそうです。

呑海さんの場合、自分自身の中にカリスマがいる。その意味で、上記の句は一番彼らしい句かも。

● はつなつや鳩サブレー鳩左向き  呑海

私の一番好きな句。彼はうーさん(右)だから、本当は「鳩サブレーの鳩」はみんな右を向いていてほしいんでしょうけど。

● 今日もまた丸く泳いで金魚玉  呑海

面白い句。呑海さんに不思議な行動あり。庭木の好きな彼は雨が降ろうと、雪が降ろうと毎日、植木に水をやる。その行動は、哲学的なのか、単なるバカなのかよくわからない。

今日もまた如雨露の水を雪にやり  なつ子(笑)

●海原に稲妻の尾が入りにけり  呑海

海の句、ヨットの句をつくりだすときりがないし、いい句が多い。海によって育てられ、ヨットによって精神のバランスを保っていた時期もあるのだから、彼にとって句をつくるとは海に守られているような感覚であるに違いない。

    たぎりをる逆潮切りてわがヨット  呑海

●春の星瓦礫地獄に咲くといふ  呑海

朝日俳壇、しかも金子兜太さんに採られたことがうれしい。自然農法家・須賀さんご一家がつくられたグリンピースのご飯で祝飯と相成りました。

  ふっくらとなんども炊きたい豆ご飯   なつ子