自句自解(俳句春秋)2017秋

 

俳句春秋     上泉呑海

マリーナの遥かに灯る水の秋

秋になると突き抜けるような空と共に、海や川の水も澄んでくる。「秋の水」「水の秋」はこの季節感を表わす季語だが、「秋の水」には「秋」に、「水の秋」には「水」に重点が置かれる。一日の帆走を終え、ハーバーに戻って来た黄昏どきの清々しい水の景を詠んでみた。(季語・水の秋)

夕かなかな母の衣桁のしづもれり

「かなかな」とは蜩のことである。油蝉やみんみん蝉、にいにい蝉は夏の季語だが、蜩は秋である。晩夏から秋にかけて「かなかな」と鳴く声は寂寥感を含み、胸に迫るものがある。と同時に少年時代の記憶をも蘇らせる。(季語・かなかな)

秋天に父の大弓(だいきゅう)ひようと鳴る

私の父は判事をしていたが、大弓の全国大会で優勝するほど弓が好きであった。父の遺品の大弓は私の手元にあるが、それを目にする度に背筋のぴんと通った父の袴姿を思い出す。と同時にその音が秋の澄んだ空に「ひょう」と鳴った。(季語・秋天)

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