自句自解(俳句春秋) 2017/春

俳句春秋 2017・春     上泉呑海

 まぼろしの蝶を見てゐる花の椅子

 桜を愛でていると、四頭の蝶が舞っているような気がした。その蝶は、なつかしい父母、祖父母ではないかと思われた。四人とも桜が大好きであった。彼らはすでにこの世にはいないが、彼らもこの桜を見てをり、一族が再会した。(季語・花=桜)

 神々に触るるばかりに櫻かな

 靖国神社の社務所の二階から見上げたとき、桜花爛漫たる景が飛び込んできた。英霊が神々として靖国に帰還され、桜と交歓されていることを確信した瞬間の一句。(季語・桜)

 白鳥のこゑを遺して帰りけり

 俳句の世界では、親しい人が亡くなると弔句をつくり、その人を偲ぶという伝統がある。この句は先般、私の句友が亡くなった折の弔句である。その方は、著名な水墨画家でかつ俳人であった。ころころとした明るい声の持ち主であった。ちなみに、「澤乃井」や「浦霞」のラベルも描いておられた。(季語・鳥帰る)

 

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